忍者ブログ

薬草医ラルフ『龍執事のハテナすぎる角』

Medical Herbalist Ralph ≪ Dragon Butler's Jargon Antlers ≫ (←一応、韻を踏んでいます) 辰年生まれのおっさん生活はいつも何かが ” 深い ” です。日々の出来事を綴ったり、興味のあるものを調べたり、料理の話をしたり、時には手芸や薬草の話をしたり。そんなこんなのブログです。できればPCからの閲覧にご協力くださいませ(スマートフォンでは読みづらいはずです)。

ふたつのくずもちひ。~ 『葛餅』と『久寿餅』

先週届いたフードアナリスト協会発行『サヴァラン(Savarin)』28号に、『くずもち』のお話が載っていました。




『くずもち』が2種類あるって知りませんでした(・ω・)



私が『くずもち』だと認識していたのは、半透明でプルプルした涼しげな感じのものです。

 


『葛粉』を使っているから『くずもち』。漢字で書くと『葛餅』。これが葛餅ですよね。私は『くずもち』はこれだけだと思っていました。

今回はじめて知った『くずもち』はこれです。

 


真っ白くて不透明、杏仁豆腐に似たタイプのものです。

たしかに仙台でも、このタイプも『くずもち』として売られています。私、これ、片栗粉で代用したばったもんだと思っていました。無知ながら本当に申し訳ないです。

こちらの『くずもち』も正真正銘のくずもちです。ただし漢字で書くと異なります。漢字だと『久寿餅』になります。



       ◆◆◆◆◆◆



なぜ2種類あるのでしょう? そのことも冊子に書かれていました。

『葛餅』のほうは関西発祥だそうです。材料は言わずと知れた『葛粉』です。『久寿餅』のほうは関東発祥のようです。『江戸くずもち』とも呼ばれ、材料は『小麦でんぷん』です。

なるほど。主材料が異なるのですね。そういえば、桜餅も異なりますよね。関東風は小麦粉の皮をあんこに筒状に巻いた『長命寺』で、関西風は米が原料の道明寺粉であんこを包みますよね。



ということで、今回初めて知った『久寿餅(江戸くずもち)』のほうの補足です。

小麦でんぷんをそのまま使うのではなく、1年以上発酵させたものを使うそうです。それを発酵臭がなくなるまで洗って使うそうです。見た目からは想像もつかない手間がかかっていたことに驚きです。

小麦でんぷんは『浮き粉』という名前で売られています。ご家庭でも決して入手できないものではないんですが、浮き粉を発酵させなければならないのでご家庭で作ることは無理でしょう。

ヨーグルトやパンのように、ご家庭でも出来る発酵工程(乳酸菌発酵や天然酵母発酵など)が確立されていればご家庭でも作れなくはないと思います。ただし、発酵臭がひどいようなので器材や設備の性能もかかわってきます。



       ◆◆◆◆◆◆



そうそう、記事を読んで、とても感心したことがあります。それは小麦でんぷんの入手方法です。

小麦粉からグルテンを取り出そうと、水の中でこねこねすると水が白濁しすよね。この白濁の正体が小麦でんぷんです。

グルテンと言えば『麩(ふ)』ですよね。

そうなんです!


『焼き麩屋』さんがグルテンを取り出す際に出た小麦でんぷんを、『久寿餅屋』さんが分けてもらっていたそうです。


なんという『エコロジー精神(もったいない精神)』でしょう! 素晴らしいですよね。

焼き麩屋さんからしたら、白濁した水はただの産業廃棄物だったかもしれませんね。それに目をつけた着眼点も素晴らしいです。



日本の伝統食で知らないことって、本当にまだまだいっぱいあるんですね。伝承護兵(日本の良き伝統を残し伝えていく者)は伝統菓子や郷土菓子をもっともっと勉強したいと思います。


※ この記事の画像の一部はインターネットのあちらこちらからお借りしています。

 

拍手[0回]

PR

Copyright © 薬草医ラルフ『龍執事のハテナすぎる角』 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]